FCレジデンシャル、プロスペクト損切り?

FCレジデンシャルから大量保有方向に関するプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081027086717.pdf

これを見ていると、Prospect Asset Management, Inc.(プロスペクト)が9/29の46.50%から10/27に23.49%と大幅に保有比率を減らしています。
9/29ごろは320,000~330,000円近辺、ここ数日は170,000~180,000円近辺で推移しているわけですから、11億円ぐらいが溶けちゃってますね。
換金売りかしら?

まぁ、こんなのトルコ・ベトナム等への投資に比べればかわいい溶け方なんでしょうが。

MUFG、エクイティファイナンス

MUFGからプレス2発。
普通株式(発行上限6,000億円)
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081027086790.pdf
優先株式(発行額3,600億円)
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081027086775.pdf

普通株式の引受は日経新聞によると"国内外の証券会社3社"とあったので、過去の経緯等から考えて三菱UFJ証券・野村證券・モルスタの3社でしょうか。
三菱UFJ証券とモルスタは資本関係から言って当然として、あと1社はここ数年関係を深めている野村かと思われます。

優先株式は非累積型で4.6%の配当。
この金額規模で固定で4.6%ですから相当低く抑えることができてますね。発表するからには、日本生命・明治安田生命・大同生命・東京海上・日本興亜といった親密損保は既に握っているんでしょう。
農林中金や日本政策投資銀行は今出す体力があるのかどうか。。。
いずれにせよ、割当先は全部決まっているものと思われます。

さすが。
横綱相撲ですね。

これでMUFG取引先に対する貸し渋りは緩和されるでしょう。
MUFGの株価なんてどうでもいいんです。中小企業に資金がちゃんといけば。
この資本調達をしていなかったらちょっと危なかったと思います。

でも、みずほと三井住友はちょっと苦しいかもしれません。相対的に資本力でMUFGに劣る両行が資本調達しようとすると、需給の問題から調達コストがワイドニングする可能性が高いばかりでなく、供給過多でマーケットが崩れる可能性があるため、タイミングをずらさざるを得ないのです。
タイミングをずらすことが吉とでるか凶とでるか。
意外とこのMUFGの資本調達の波紋は、他の金融機関に大きな影響を及ぼすかもしれませんね。

日本電産すごい

日本電産からプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081027085900.pdf
  子会社4社の上方修正。

日本電産サンキョー(7757)、日本電産コパル(7756)、日本電産サーボ(6585)、日本電産リード(6833)の4社の9末の半期業績を(サーボの売上高だけ減少だが、それ以外の各社の売上高・営業利益・経常利益・当期利益の全てにおいて)上方修正しています。また、この数値は全て前年実績を上回ります。
また、
http://post.tokyoipo.com/visitor/search_by_brand/infofile.php?brand=1941&info=357297
において、日本電産サンキョー(7757)、日本電産コパル(7756)、日本電産トーソク(7728)、日本電産コパル電子(6883)、日本電産サーボ(6585)の5社の配当の上方修正を行っています。(こちらも前年実績比増)
更に、日本電産サンキョー(7757)、日本電産コパル電子(6883)、日本電産サーボ(6585)、日本電産リード(6833)の4社の株式を買い増し、連結子会社にしました。

この手堅さはすばらしい。
永守さん、凄い。

東洋電機製造、質問
http://post.tokyoipo.com/visitor/search_by_brand/infofile.php?brand=1941&info=356892
するのはいいけど、傘下に入ったほうがいいのでは?

オープンループ、エクイティファイナンス

オープンループからプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081027085738.pdf

オープンループ、当初は真っ当な会社だったんですが・・・。
とっくに真っ当ではないクォンツ(オープンループの34%株主)とバトルを繰り広げており、今回のエクイティファイナンスでダイリューションして相対的にクォンツの持分を減らしたかったみたいです。

この両社の戦いについては結構関心を持ってたんですが・・・、いや、世界経済の前には非常に矮小な話なので、もうどうでもいいや。
結論としては、「両社とも資本市場から出て行ってください。」これに違いないんだから。

サムライ債デフォルト ~カウプシング銀(アイスランド)

カウプシング銀はアイスランド最大手銀行だそうです。(当然、知らなかった)
先日、アイスランドの商業銀行3行が国有化し、アイスランド自身もIMFから緊急融資を受けた(実質的に国の財政破綻?)とは聞いていたんですが、早速日本にも影響が。

10/20が利払い予定日で、27日までに払い込まれなかったと書いてあるので、治癒期間が7日間あったけど治癒できなかったということみたいです。デフォルトですから元本も期限の利益を喪失(元利ともに全額を即刻払うべき状態)しているんでしょうね。
で、クロスデフォルトで第3回債まで全てデフォルトですか。

・・・サムライ債のマーケット規模ってどれぐらいかしら? すごくワイドニング(=スプレッドが拡大すること。同時に既存発行の債権価格の下落が起きる)してそう。引受先は日本の機関投資家が多いんでしょうね。個人も多いでしょうが。
そして時価会計ならすごい損失が。
金融機関の時価評価一時ストップなんて「冗談でしょ?」ってカンジでしたが、こうやって全金融資産に損失が拡大すると現実味を帯びてきますね。それが不信を招く元であっても・・・

http://jp.reuters.com/article/wtInvesting/idJPnTK018272920081027
カウプシング銀サムライ債が780億円デフォルト、9月リーマン債に続く異常事態
[東京 27日 ロイター] 政府の管理下に置かれているアイスランドの銀行最大手カウプシング銀行(KAUP.IC: 株価, 企業情報, レポート)<0#1251=JFI>が発行した4銘柄・発行総額780億円のサムライ債(円建て外債)がデフォルト(債務不履行)となった。
 カウプシング銀行が2006年10月20日に発行した第1回固定利付き債(償還2009年10月20日、発行額500億円)が今月20日に利払いがなく、猶予期限とされた27日までに利払いが実行されなかったことから、発行要項上のデフォルト事由に該当した。財務代理人の三井住友銀行<0#8412=JFI>は27日に利払いされなかったことを確認した。この結果、カウプシング銀行が発行した他の第2回固定利付き債(2010年7月5日、100億円)、第3回固定利付き債(2012年7月5日、50億円)、第1回変動利付き債(2012年7月5日、130億円)もデフォルトになったものとみなされる。 
 9月に米リーマン・ブラザーズ(LEHMQ.PK: 株価, 企業情報, レポート)の5銘柄・発行総額1950億円のサムライ債がデフォルトになっており、短期間に金融機関のサムライ債が相次いでデフォルトになる異常事態となっている。
 サムライ債が相次いでデフォルトになったことについて、ある国内大手証券のクレジットアナリストは「世界規模で深刻な信用収縮が起きていることがわかる。新興国のソブリンのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアムが急拡大していることは気がかりで、今後、新興国の発行した債券のデフォルトリスクが高まることも想定できる」と述べた。複数のクレジット市場関係者は、買い手がつかないほどサムライ債への不信感が強まる可能性が出てきたとみている。
 カウプシング銀行債の弁済に関しては、ある銀行系証券のクレジットアナリストは「アイスランドの場合、国自体が大混乱しているため、カウプシング銀行債の弁済内容が確定するまでには、かなりの時間がかかる」とみている。
  (ロイター日本語ニュース 伊藤 武文記者)

救急搬送たらい回し妊婦が脳内出血で死亡

このブログは企業・経済を中心にしているのですが、ちょっと脱線。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081027-00000195-jij-soci
安心して産める社会に=「誰も責める気ない」-死亡妊婦の夫が会見
10月27日21時13分配信 時事通信

 東京都内で8つの病院に救急搬送を断られた妊婦(36)が脳内出血で死亡した問題で、夫の会社員男性(36)が27日夜、厚生労働省で記者会見し、「妻が浮き彫りにしてくれた問題を、力を合わせて改善してほしい。安心して赤ちゃんを産める社会になることを願っている」と訴えた。
 夫によると、妊婦特有の高血圧もなく健康だった妻の容体が変わったのは4日夕。掛かり付けの産科医院に着くころには頭痛が激しくなり、医師が搬送先を探している間中「痛い痛い」と言い続けていた。「こんなに医療が発展している東京でどうして受け入れてもらえないのか、やりきれない思いだった」。
 約1時間後、都立墨東病院での受け入れが決定。救急車では「痛い」とも言わなくなり、「目を開けろ」と言ったら辛うじて開ける状態。「病院に着くころにはもう開けなかった」と振り返り、声を詰まらせた。
 搬送要請で、医師は頭痛が尋常でない状況を伝えていたといい、「伝わらないはずがないと思うが、誰も責める気はない」と夫。最初に断った同病院の当直医について「傷ついて辞めるようなことになったら意味がない。絶対辞めないでほしい」と話した。
 さらに脳死状態で3日間を過ごした妻が亡くなる日、保育器に入ったままの赤ちゃんを連れてきて妻の腕に抱かせてくれて、親子水入らずの短い時を過ごしたエピソードを披露。「墨東病院の医師も看護師も本当に良くしてくれた。彼らが傷つかないようにしてほしい」とした。
 夫は、医師不足や搬送システムなど浮き彫りになった問題について「のど元過ぎれば忘れるのではなく、具体的な目標を持って改善に向かってほしい。何かが変われば『これを変えたのはおまえのお母さんだよ』と子供に言ってあげたい」と話した。 


東京都内の医師不足(とくに産科医不足)は深刻で、この墨東病院も週末当直は1人の状態。今回問題になった患者さんの場合、奥さんと胎児それぞれにICUとNICUが必要でしょうし、産科医・麻酔科医・脳外科医などすくなくとも3、4人の医師が居ない限りは受入不可能という理由で断ったんじゃないでしょうか。
しかし、この墨東病院が
 ・リスクの高い妊婦の救急治療を担う「総合周産期母子医療センター」
 ・一般救急対応の「東京ER(救急治療室)」
に指定されているんです。そして、これは他の「総合周産期母子医療センター」・「東京ER」においても事情は変わりません。
つまり、週末深夜に今回の患者さんのような症状が発生した場合、東京において助かる可能性は極めて低いことが確定しているわけです。(東京以外でも事情がそんなに変わるとは思えないのですが)
誰の責任でしょうか?

産科医に対して不用意・不必要にパッシングするマスコミと、医療コストの削減を強いることによって医師の収入を減らす→数を減らす→残業代も無く医師を酷使する状況を作った政府と、それを看過している国民です。
医療がこれだけ発達した日本において、この患者さんを殺したのは国民です。
残念なことに。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081025-00000064-jij-soci
以前から「看板下ろしたい」=減員で総合センター維持厳しく-妊婦死亡の墨東病院
10月25日15時10分配信 時事通信

 東京都内で8つの病院に救急搬送を断られた妊婦(36)が脳内出血で死亡した問題で、最初に断った都立墨東病院(墨田区)は、以前から高度産科医療を提供する総合周産期母子医療センターの「看板を下ろしたい」と、都に窮状を訴えていた。医師が減り、体制維持が厳しくなっていたが、地域の拠点施設をなくすわけにいかず、踏みとどまっている形だ。
 墨東病院の常勤産科医の定数は9人だが、2006年4月には6人に減少し、同年11月からは新規の外来患者の受け付けを中止した。その後も減り続け、今年4月には3人に。10月から1人増えたものの、定数の半分に満たない。
 都病院経営本部の谷田治課長によると、7月に週末当直が1人体制となる以前から、同病院の医師から「看板を下ろしたい」「きつくて対応できない」という話を常に聞いていたという。 

日経平均、26年ぶり安値(7162.90円)

ついにここまで。
26年ぶりってことは1982年。高度経済成長期の終盤ぐらいのレベルですか。

3メガが揃ってストップ安水準まで売り込まれたとか。
大規模なエクイティファイナンスをするとの観測ですから、やむを得ないとも考えられますが、またぞろ大手銀行は資本不足だったのか→貸し渋りなどによって実態経済に影響が出るのか というあきらめ感からくる投売りを誘ったのかもしれません。

ここが底だと願いたいけど、もはやどこが底なのか…
画像

モック、史上最低のエクイティファイナンス

モックからプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081022080326.pdf

現在の発行済株式数は88,552株なのですが、井植浩之氏と3Softジャパン(井植浩之氏が社長)の2者に10万株ずつ割当てて6億円調達し、新株予約権を5社に割当てて合計20万株ずつ株式を発行して約6億円調達します。
発行済株式数は約5.52倍に・・・

総和地所なんてメじゃないですな。

で、この"井植浩之"さん。三洋電機創業者の井植一族の関係者みたいですが、巷で何かと有名なサイバーファームの社外監査役でもあるようです。こりゃ・・・困ったね。
サイバーファームですよ。

井植氏が代表取締役を務める3Softジャパンという会社も、地震予知システムを売ってる(元阪神の川尻選手が顧問?)ようですが、総資産が35百万円で純資産が▲249百万円、売上が152百万円と実態があるのかしら? ちょっと商品も怪しい気がするし。
ここから3億円も出せたのか? 総資産35百万円しかないのに3億円出すのはヘンですよね。まぁ、でも井植氏が増資して出させたのかな・・・と心を整理します。井植氏と3Softジャパンでバラバラに出すのは意味わかんないけど、全部3Softジャパンから出資してたら、3Softジャパンは親企業情報開示の対象になるかもしれません。それは避けたいでしょうね。

他の新株予約権を割当られている投資組合も、所在地がウィークリーマンション(Odキャピタル)だったり、一介のマンション(AC1号)だったり、民家(グローバルエステート)だったりと、なんかビミョーなカンジです。
唯一活動していそうな「CBCパシフィック」という不動産会社も、ジョイントが主要取引先だそうで、総資産9万6千円(!)、純資産▲12百万円、前期の売上はゼロ(!)とこれまた実態ナシ。
だいたい、2007/9/4に設立した会社で2008/7期の売上がゼロなんですから、「主要取引先」ってナンなんだろうという気もします。この会社も当該プレスにある新株予約権の割当で1.2億円出しているんですね? それはヘンだろう。総資産が9万6千円しかないんだから。物理的にありえない。
どこから1.2億円出てきたのか? モックに投資したい人から出てきたんでしょうね。
モックに資金を入れるために、隠れ蓑としてこの「CBCパシフィック」に資金を入れたんでしょう。
いったい誰が? さぁ?
実態的に価値がない企業(モックのことね)に1.2億円もの資金を投下してでも、更に、ヘンテコリンな隠れ蓑を使ってでも、東証マザーズに上場している企業の大株主になりたい人が でしょうね。
それって普通の人(または企業)か?
東証マザーズは第一号上場企業からしていっちゃってましたからね。

東証は何をしてるのか・・・と思ったら、著しい希薄化については、
http://www.tse.or.jp/news/200810/081022_c.pdf
とプレスしてます。
割当先についても、一言コメント欲しいですな。
企業価値がゼロに近いんだから、ダイリューションなんて経済合理性の話の範囲内でしょ? そんなのどうでもいいんですよ。そんな株、持ってる方が悪いんだから。5.5倍を越えるダイリューションを企むほうが悪いのも判ってるけど。
でも、真に問題なのは、その割当先じゃないのかね?>東証

こんなに怪しいエクイティファイナンス、一生に一度みれるかどうかだと思うが。いや、そう願いたい。

富士バイオメディックス 債権者一覧

先日、民事再生を申請した株式会社富士バイオメディックスの債権者一覧。(1億円以上)

関西アーバン?不動産のニオイがしたのかしら? あ、無担保か。
死臭がすると貸しちゃう体質みたいですね。


(2008年8月31日現在、百万円以上、単位:千円)
【金融機関】
[債権者名]              [債権額]
埼玉りそな銀行 埼玉営業部 ※1    3,251,212
みずほ銀行 北沢支店 ※1       2,720,542
ビジネクスト(株)           1,600,000
百十四銀行 新宿支店 ※1        972,385
南都銀行 東京支店            781,949
関西アーバン銀行 本店          759,000
四国銀行 東京支店            715,000
三菱東京UFJ銀行 池袋支社       687,583
東和銀行 北本支店 ※1         675,343
武蔵野銀行 鴻巣支店           654,864
第三銀行 東京支店            600,969
東芝ファイナンス(株)          589,931
群馬銀行 鴻巣支店            444,010
北陸銀行 東京支店            366,668
愛知県信用農業協同組合連合会       300,000
あおぞら銀行 本店            250,760
埼玉県信用農業協同組合連合会 本店    205,731
伊予銀行 東京支店            200,465
みずほ信託銀行 本店           200,000
徳島銀行 東京支店            189,300
三井住友銀行 東京中央法人営業第三部   120,000

【借入金】
[債権者名]              [債権額]
(株)富士ファミリーファーマシー    1,111,500
東邦薬品(株)※1、※2        1,100,000
(独)科学技術振興機構 ※1       530,833

(※1=担保有、※2=2008年10月13日現在)

総和地所、最後の放屁

総和地所からプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081020076892.pdf
  エクイティファイナンスします。株数4倍になっても。

ヒドい。
発行済株式数 20,540株(株価 @3,200円、時価総額 66百万円)ところを、59,460株も第三者割当。
ダイリューションで株主の権利と株式の価値を1/4にまでして勝ち取ったのは1.6億円。

よかったね、滞納していた8百万円
http://post.tokyoipo.com/visitor/search_by_brand/infofile.php?brand=10411&info=354179
を県税に払えて。

でも、有利子負債はビタ一文返しません。(返せません)
10/20現在で40億円あります。
ゼネコン向け債務も20億円(一部今回の1.6億円から弁済するみたい)もあります。

そんなに頑張って反社会的なエクイティファイナンスしなくても、さっさと民事再生に移行して頂いた方が世のためかと。
会計事務所もWPに変更し終えていることだし。

日本ハウズイング vs 原弘産 →リロで決着

日本ハウズイングからプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081020076692.pdf
  リロHDからのTOBはOK。

原弘産(+井上投資)との間の争いはこれで終止符ってことですね。
本日終値960円のところを、870円とアンダーでのTOBとなりました。
買収防衛策は発動させない前提のようです。
・・・アンダーなのに?
経営陣に都合がいい相手だったらいいと。


やっぱり買収防衛策って経営陣が保身を図るためのものですね。自分が気に入らない人は排除して、条件がいい人だけ買収できるようにしちゃうんでしょ?

イヤなカンジ。
買収防衛策を導入するヒトは、早く市場から退出してくれ。

ノーリツ vs スティール 2

当初の経緯は
http://technical-unit.at.webry.info/theme/d15e695608.html
をどうぞ。
ま、とにかくスティールがノーリツに株主提案を繰り返してたんですが、ついにTOBかけるぞと脅しに出たと。
ノーリツは買収防衛策を導入し終えていたため、それに乗るか乗らないかで検討が開始されていました。

で、ノーリツから2本のプレス。
■大規模買付ルール適用除外同意の要請については否決
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081017074762.pdf
■スティールに対する回答
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081017074767.pdf

ノーリツの主張をまとめると、以下6つです。

①スティールの要望、「大規模買付ルール適用除外」について
結論:NO
 スティールは、買収防衛策を発動させるかさせないかを決める特別委員会で判断するのではなく、取締役会の判断でスティールのTOBを飲んで欲しいと言っていたのですが、それは却下されました。
 ノーリツとしては、株主価値のために買収防衛策を導入したという前提がありますので、スティールの提案が株主価値の向上に資するかどうかを取締役会の独断では決められません というスタンス。
 まぁ、これは買収防衛策を導入してしまった以上、しょうがないかもしれません。

②スティールの意見、「赤字の非主力事業であるシステムバス及びシステムキッチン事業の撤退・売却」について
結論:NO
 ノーリツ側としては、システムバス及びシステムキッチン事業は確かに非主力事業ではあるが、当該事業で負担しているとしているコストのうち、約37億円は主力事業である住設システム機器事業と共同の費用であり、撤退することは会社全体としての減益を招くとしています。(売上総利益が約53億円だそうなので、約37億円のコストが主力事業におけるコストアップになり、差し引き16億円の減益になります。)

③スティールの意見、「海外進出が遅い」について
結論:そうではないと思っている
 ノーリツ側としては、1993年 上海、2002年 北米と進出し、上海に新工場、北米・中国のショールーム、研修センター付きの営業拠点ネットワークの整備等を積極的に行っており、連結ベースの海外売上高は2004年→2008年で50億円→165 億円へと約3倍に拡大している。決して歩みは遅くないとしています

④スティールの意見、「現預金を取り崩し、自己株式取得を行うべき」について
結論:現状の現預金は妥当な水準
 ノーリツ側としては、
> ライフラインの一端を担う社会的使命のためにも、
> 財務の安定性を確保する必要

があるとしており、今後も検討したい項目ではあるとしながらも、やんわりとスティールの主張を退けています

⑤スティールの意見、「業績・利益率向上のために外部コンサルをいれるべき。スティールが紹介した経営コンサルは顔合わせも拒まれた」について
結論:既にやっている
 ノーリツ側主張によると、1986年以降、トヨタ生産方式の生みの親と称される故大野耐一氏が最高顧問を務めた
「NPS研究会」に所属し、独自の効率化を推進してきており、新たなコンサルは不要。ちなみに、スティール紹介のコンサル(及びスティール)は既に3回工場見学をしており、高い評価を得ているとのこと。

⑥スティールの意見、「ガス事業者及び住宅メーカーとの間で価格引上げ交渉をすべきだ」について
結論:既にやっている
 ノーリツ側としては、既に年間2回程度の価格交渉は行っているが、内容開示はできないとのこと。


現状を言うと、スティールはノーリツをまるで追い込めきれていない感じですね。ノーリツの反論がそれぞれもっともな意見のように感じます。
ただ、⑤のコンサルについては、おそらくですがノーリツは外部コンサル(とスティール)に工場見学はさせたものの、経営陣へのプレゼンの機会は与えなかったんでしょうね。この辺は非常に器量の狭いノーリツ経営陣が、外を見ずに中だけ見て仕事をしていそうだな と感じます。スティールごときを恐れずに、きちんとプレゼン(きっと討論会になるんでしょうね)を受ければいいのに。
それが経営者の責任であり、経営者の仕事だと思うのですが。

この後どうなるか?

スティールは最初のプレスで、
> 金庫株を除く発行済み株式の全てを、2008年9月9日
> 現在の市場価格である一株あたり953円に対して
> 約7.6%のプレミアムの上乗せに相当する一株あたり
> 1,025円の価格で取得するという提案

とTOBプライスを言ってしまっており、そのTOBを実際にかけるのか? 引き下がるのか? を選択することになります。
しかし、このTOBプライスについては、スティールの提案無かりせば、ノーリツの株価も他の会社と同様に暴落していたはずであり、このままでいいのかというスティール側の気持ちの整理も必要でしょう。この世界同時株価暴落&世界同時不況(?)の中、従来の株価でいいのかと?
もちろん、スティールは既に保有している20%程度のノーリツ株式を売り抜けるために、中途半端に高目の玉を投げている(対抗ビットで誰かがより高いTOBプライスを出してくれたら、コレ幸いとばかり売り抜ける)つもりでしょうから、しばらく駆け引きを続けないと最終的な出口が見えてきません。

外資系投資銀行がLBOローンを出さない現状、国内銀行は敵対的な買収にはローンを出さないと決めてかかっていますから、スティールがノーリツを買収(敵対的買収になるでしょう)するのは、環境的に不可能です。

ま、しばらくクリンチですな。
Q&A合戦するんじゃないですか。

【日経】オリックス・セゾン、統合交渉打ち切り

http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/hotnews.aspx?site=MARKET&genre=c1&id=AS2C1700W%2017102008
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オリックスとセゾン、統合交渉を打ち切り

 オリックスとクレディセゾンが進めていた経営統合交渉が打ち切られたことが分かった。17日までに複数の交渉関係者が明らかにした。米欧発の金融危機が日本の金融・株式市場の混乱に発展し、大規模な企業再編で新しいビジネスモデルを模索する時機ではないと判断。個別に経営の効率化を進めた方が望ましいとの結論に達した。統合実現へ焦点の一つとなっていたみずほグループ全体としての支持も得られなかったもようだ。

 両社の統合構想は今夏、オリックスの宮内義彦会長とセゾンの林野宏社長の両トップ主導で浮上した。相互にプロジェクトチームを派遣し合うなど、合併や持ち株会社方式による経営統合に向けた検討作業を水面下で進めていた。

[10月18日/日本経済新聞 朝刊]
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まぁ、巷の想像通りになっちゃったと。
別にどっちも単独で生きていけないってワケじゃないから。

セゾンのアキレス腱、アトリウムの話も、これで解決ですかね
セゾンはみずほグループに対し、「オリックスとの話を打ち切るからアトリウムの支援に手を貸してくれ」とお願いしたんじゃないでしょうか? それほどアトリウムの劣後ローン・劣後債は投資する側のメリットが無い内容だった。今後もみずほはアトリウムを支援するでしょう

しかし、みずほの「緩やかな連携策」は破綻しましたね。
(信じてたセゾンに裏切られかけたから。戻ってきたけど)
戦略分野であるクレジットカード業務を担うセゾンにまた浮気をされてはかないません。みずほはセゾンの持ち株比率を上げる方策をとるでしょう。第三者割当なのかTOBなのか知りませんが。
ライバルであるMUFGとSMFGのように、資本の力で従える方向性に舵をきるでしょう。

しかし、メリルの件(1500億円出したけどダイリューションし、後でバンカメに吸収合併されちゃったので意味無かった)は、
 ・自己資本を結構使った。余力が多くはない
 ・トラウマが残った
の2点から、みずほの投資戦略の幅を縮めました

セゾンとみずほ。中長期的には必ずセゾンがみずほに吸収されるんでしょうね。
その紆余曲折には注目しましょう。

井上工業、破産

井上工業からプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081016073421.pdf
  破産。

出た。いきなり破産。

> 当社は、かかる厳しい状況を乗り切るべく、
> 第三者割当増資及び新株予約権の発行に
> 関する決議を行い、払込期日に割当先から
> 合計18億2000万円全額の振込みがなさ
> れましたが、払込期日である平成20年9月
> 24日に、当社従業員が無断で第三者に
> 当社資金15億2000万円を流出させていた
> ことが後に発覚し、この結果、取引債務や
> 手形決済のための資金繰りの目処が立て
> られない状況となったため、本申立てを行う
> に至りました。


・・・。またそんな無茶なこと平気で書いちゃって。

大株主にNFK(旧日本ファーネス工業)がいます。
まぁ、この事態は当然にして予測すべきであったと。

ここ数ヶ月の流れです。
そういった勢力の方が市場から退出するのは。

アトリウムの劣後調達に関する想像

先般のアトリウムの財務分析をするうちに、やはりアトリウムの劣後調達がエコノミー的におかしいと確信しました。

よって、こんな想像をしてみました。根拠は更に下に記載しました。

---以下、想像。---

セゾン、林野社長の頭の中

セゾンとしては信用不安を払拭するためにアトリウムを支援したい。
でも、単独で支援しきれるだろうか?

アトリウムの不動産事業はわからない(セゾンはリテールが本業と割り切っているからか、不動産を怖がっているようです。だってわざわざ自社が貸すのに、トンでもなく高い保証料のアトリウムを使っています。例:りんかい日産建設)し、元々リテールファイナンスとして会社規模が小さくて生き残っていけないことにも限界を感じる。
ようし、オリックスに経営統合の話を持ちかけよう。規模の追求で調達コストなども下がるだろう。
アトリウムは、オリックスと一緒になるならなんとかしてもらえるだろう。

(時間が経過)

あそこまで新聞に大きく書いてもらったにもかかわらず、オリックスは"統合効果ない"と逃げ腰。統合の可能性も不透明だ。ヤバイ。
しかし、いよいよアトリウムが信用不安で潰れそうだ。仲がいい金融機関に奉加帳を回そう! セゾン自身が200億円の絶対劣後ローンを出すから、劣後ローンでも劣後債でもいいから引き受けてくれと言って。

「絶対5年で償還・返済させますから。格付機関が形式的に50年必要って言うから期間を50年にしただけで、絶対5年で返します。契約書には書けませんが、お約束します」
さんざんお願いして、みずほCBはしぶしぶ応諾。グループ会社の興銀リース・東京リースにも無理やり条件を呑ませてくれた。こういうときメインバンクは頼りになる。
しかし、みずほCBは応諾はしたものの「当該資金使途はみずほCBへの返済に充当すること」を条件としてつけてきた。やむなし。

よかった。自分が200億円、みずほCB他で34億円と、234億円しか集まらなかったし、その234億円は全てみずほCBグループへの返済に充当することになったが、まぁしょうがない。形式上は支援体制盤石となったはず。
株の投資家はまだしも、地銀やその他大手銀行は騙しきらないと・・・

---以上、想像終わり。---


真実の事情は外部からはわからないのですが、上記のようなカンジなんじゃないでしょうか。

セゾンとオリックスの提携のところはテキトーです。でも、アトリウムを処分したくてセゾンがオリックスにすがりついたのではないかとも思えます。

劣後調達の想像部分については、下記に想像の根拠を列記しました。とにかく「劣後ローン」「劣後債」としての商品設計がすごくヘン(=マーケット慣行から外れている)なんです。
ちなみに、商品設計は10/14発表の中間決算短信の「重要な後発事象」の欄に詳細が記載されています。
ちなみに「bps」というのは1万分の1、つまり0.01%のことです。

【根拠】
■ローンもボンドも金利がLIBOR+375bpsと破格に低い。5年後120bpsステップアップだが、それも仕上がりは異常に低い。
信用リスクを鑑みると、絶対劣後で期間50年という本件のような条件なら、10%以上のリターンが求められて当然のマーケット環境。
だいたい5年後に償還が始まる前提で商品設計がなされているにしては、120bpsのステップアップは幅が狭すぎ。あとの45年間ずっと495(375+120)bpsのスプレッドで借り続けられるなら、経済合理性から言って、自主的に償還・返済するわけない。
でも、「絶対劣後債券(・ローン)。当初5年間は金利【 】%、その後【 】%。償還(・返済)は5年目から可能」という投資商品が出たら、一般的には発行体(・借入人)は、その当初5年が過ぎたら償還(・返済)するのが普通。
セゾンは「絶対5年で返済させますから。格付機関が形式的に50年必要って言うから50年にしただけ。エコノミー上は6年目も借りたいぐらいの条件だけど、絶対5年で返済させます。約束します」みたいな口約束を投資家としているはず。
■セゾンが決め打ちで金融機関に持ってきたから、こんなにエコノミー的に時代錯誤の出資条件なのではないか?みずほCBはイヤイヤだったはず。条件が不合理なので、金融機関が設計した商品でないことは明らか
みずほCBも行内決裁を通すためには、差し違えで何か条件を設定する必要がある。その"条件"は多分既存融資の返済。みずほCBグループで34億円出して、234億円の既存融資の返済が行われるなら、こんな無茶な条件でもメリットある。
■プレスには、セゾン以外に、
> 取引金融機関であるみずほCB等の
> 国内金融機関が投資家として参画
とあるが、みずほCBと同格の銀行は他にいないということ。居るなら別記しないと失礼にあたる。
■そもそも、みずほCBのようにセゾンになんらかの特別な取り計らいをする意図がないと本件に参加しているわけないので、他の投資家は「みずほCBに参加を強要されて断れず、やむなく参加した」という面子であろう。
そこまでみずほCBにイジめられるのは、傘下のノンバンクに違いない。具体的には、興銀リース、東京リース、センチュリーリーシング。センチュリーはまだ東京リースと合併していないので、伊藤忠色も強い。こんな不合理な劣後は買うまい。ってことは興銀リースと東京リースが参加者。

日本電産 vs(?) 東洋電気製造 2

東洋電機製造がプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081010067716.pdf
  日本電産からのTOBの提案について、Q&A投げ合ってます。
  回答来ました。

こういうとき、そのQ&Aの内容が見れないんですよね。
ちょっと残念。

東洋電機製造は素直にやりとりを続けていますが、まだまだ事態は何も進んでいません。
こうやって時間を稼ぎながら、スポンサー本命に「対抗ビットでTOBをかけてください」と土下座しているかもしれません。
東洋電機製造の場合は。。。JR? 東洋電機製造は電鉄ファミリーのハシクレですからね。
まぁ、JR側に買う体力はあっても、買う理由が乏しいのですが。

世界の実体経済悪化懸念

10/14は
 FTSE 100 -7.16%
 DAX    -6.49%
と欧州が下げ、つられたのか、米国も
 Dow    -733.08 -7.87%
 Nasdaq  -150.68  -8.47%
 S&P 500 -90.17  -9.03%
と大幅に下げました。
現在、ドル-円も 99.98円と100円割れの円高。

米国の9月の小売売上高はここ3年で最大となる1.2%のダウンし、
http://biz.yahoo.com/ap/081015/economy.html
米連銀経済報告(ベージュブック)でも全米のほとんどの地域で9月の労働市場が悪化
http://www.reuters.com/article/ousiv/idUSTRE49E84320081015
したと言及しています。
オイルも同様にリセッション懸念で
http://www.reuters.com/article/hotStocksNews/idUSTRE49B3Y620081015
1バレル75ドル割れ。
世界経済の悪化懸念が顕著で、消去法的選択から円が買われているようです。
結果、10/15の日本の株式市場においても、輸出関連株のみならず全般的に売られる可能性大ですね。

火薬庫といわれた欧州(欧州金融機関が証券化商品を大量に保有しているから)はマーケットクライシスが先行し、未だ景況感に関するネガティブな報道は為されていないように感じますが、今後影響が出てくるでしょう。


そんな中、ニュース番組でおなじみのモルガンスタンレー証券 調査部長のロバート・フェルドマンの言説
http://jp.reuters.com/article/wtInvesting/idJPnTK017775120081015
が結構考えさせられました。
目先のクライシスは置いておいて、中長期的な日本経済の成長については、
 GDP(国内総生産)
 =①労働力(増えない)×②労働生産性(いくつかのシナリオ)
で想定できるというものです。
「感情的過ぎる金融危機相場では株を買うチャンスは充分あるが、何を買うかは持続性シナリオ次第である。」とも言っています。

でも、フェルドマンが指摘する②労働生産性を上げるための企業努力や規制緩和・税制改革といった政府努力に加え、①労働力を上げる努力である「移民政策」「保育園環境の改善」といた政策次第では外国人や女性の労働力を加えることができるはずであり、日本経済のシナリオは意外に多様なのではないかとも思えます。
失望に慣れすぎているため、「政治に期待」というのは日本社会においてはタブー視すらされているのではないかとも思いますが・・・

全教研、MBO

全教研からプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081015070870.pdf

公開買付価格は360円。これは過去1ヶ月平均(250円)、過去3ヶ月平均(256円)及び過去6ヶ月平均(271円)に対して、それぞれ44.00%、40.63%及び32.84%のプレミアムです。
経営者一族と取引銀行(TOBに応じるに決まってる)といった特定株主で7割以上の議決権を占める企業としては、立派なプレミアムだと思います。直近、利益も出ていないみたいですし。
上場している意味もないし、退場OK。

・・・これ以上コメントしてもしょうがないけど、一応、検証。^^;

公開買付者は経営者(中垣一明さんと中垣一史さん)が作った株式会社ケーエヌ。そのまんまの社名。
設立は平成20年9月24日。(!)
最後までどのエンティティでやるか悩んだんでしょうね。大株主に2社も経営者の資産管理会社がありますから。最も税金が安く済む方法を考えたら、新たに会社を作る方法だった という理由なんでしょうね。

公開買付期間は30日。
スクイーズアウト手法は、全部取得条項付種類株の発行。
将来的には、対象会社を存続会社とする合併を企図しているとか。

「創業家一族継続保有株式(55.68%)」と自己株式を除く、1,678,830株を買うつもりのようですから、6.04億円必要なようです。公開買付者は既に1億円の出資金があるようですから、あと5億円必要ですね。
対象会社既存有利子負債が12.65億円ですから、合計約18億円程度。
対象会社には現預金6.7億円、投資有価証券3.7億円、積立保険金1.2億円と資産がありますので、現金を10割・投資有価証券・積立保険金を7割の掛け目で見て10億円程度。
ネットすると8億円程度の有利子負債が残ります。
これぐらいなら余裕かな。

対象会社のEBITDAは営業利益0.68億円+減価償却1.38億円ですから、約2億円程度。でも、会社規模が小さすぎてEBITDAなんて指標は意味がなさそうです。
CFベースで見てみます。最近利益率が落ちているようですが、当期赤字は全て教室の評価損などであり、営業CFは1.6億円程度。でも、CAPEX(資本的支出。必要な投資)は2.3億円ですから、単純計算のフリーCFは▲0.7億円です。
これは結構苦しいですね。
佐賀銀行・西日本シティ銀行・福岡銀行に頑張ってもらうしかないですね。

1点、疑問なんです。
公開買付代理人が新光証券。
主幹事は野村證券で、他の証券会社とも取引はあるようですが、新光証券は見当たりません。
取引銀行の欄にみずほBKやみずほCBも見当たりません。
・・・? 新光証券の仕掛け案件? ワケわからん。

国際航業HD、アジア航測欲しさにIDUに15億円出資

IDUからプレスがたくさん出てます。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081015071231.pdf
  決算短信
  ・・・その他、継続疑義やら希望退職やら多数
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081015071584.pdf
  だから、国際航業HDから15億増資

経常損失 57.7億円のところを、減損・在庫評価損で186.5億円だしているため、最終261.2億円の純損失となっています。コレはインパクト大。
へー、こんなに悪かったんですね。

IDUは継続疑義までつけられちゃったので、たった15億円の増資とはいえ、何かプラス材料を同時にリリースせざるを得なかったんでしょうね。ワラをもすがるつもりの国際航業HDとの業務・資本提携でしょう。

巷で言われている通り、国際航業HDはIDUには関心ないんでしょうね。プレスリリースには必死に書かれていますが、相乗効果の説得力は全然無いやはりIDUが持つアジア航測(9233)株式12.5%が狙いでしょう。
参考:アジア航測のプレス(IDUとの資本提携)
http://eir.eol.co.jp/EIR/View.aspx?cat=tdnet&sid=371953
そもそも、アジア航測が金庫株をIDUにお願いして買ってもらった経緯がありますから、今回IDUが仇敵に助けを求めても、運が悪かったとあきらめるしかないですね。
ちなみに、アジア航測は本日終値で290円。IDUは6.7億円ぐらい含み損を抱えてます。

今後の国際航業HDの動きは?
繰り返しますが、国際航業HDはIDUには関心がないでしょう。アジア航測株式目当てで出資したはず。
「国際航業HDがIDUの過半の株主になる前提で…」みたいなことがプレスに書いてありましたが、IDUが持つ282億円の有利子負債を丸抱えするには国際航業HDにもちょっとキツい。「過半の株主」ってのはウソでしょ。
だったら、すぐにIDUからアジア航測株を取り上げないと、IDUが破綻したら計画が水の泡です。
私が国際航業HDの社長だったら、助けを求めに来たIDUに対してこう言います。(いや、もしくは自分からIDUに助けるフリして提案に行きます。)
「当面の資金繰りはいくら足りないの? 15億円?
 だったらその資金を出しましょう。
 でも、見返りにこれから時価+αで仕掛ける
 アジア航測に対するTOBには応じる前提ですよ。」

金商法上、三分の一を超える取得を目指す買収者にはTOBが義務付けられています。現在、国際航業HDはアジア航測の株式を28.9%持っていますので、IDUから12.5%を買うと合計41.4%となるため、TOBが必須になります。
IDUがこの申し入れを喜んで受けたことは想像に難くありません。
今なら株価安いですからね。6~7億円もあればIDU保有分が手に入ります。

するでしょうね、TOB。早い段階で。
IDUの寿命が長くないのは明白なんですから。

ユニパルス(6842)、ナノテックス(7772)に対してTOB。日本ライトン(2703)は手放す

ナノテックスからプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081014069985.pdf
  ユニパルスのTOBに賛同。

時価総額が今日の終値ベースで2.86億円しかないよ、このナノテックスって・・・


日本ライトンは自社のプレスリリース
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081014069847.pdf
の中で、
> 当社は平成20 年3 月に約30 億円の通貨スワップ評価損を計上し
> 実質債務超過となったことから財務基盤の安定を図り、

(中略)
> 事業の見直しにより、当社コアビジネスであるライトングループ
> のプロダクトに集中することとなったため、ナノテックス社との
> 資本業務提携の方向性の見直しを検討しておりました。

と書いていますが、元々、2007/12期において最終利益 140百万円(営業利益 263百万円)、減価償却 82百万円と単純計算で2億チョイしか有利子負債返済能力が無いのに、有利子負債が74億円ですから、通貨スワップだのナンだのと関係なく有利子負債償還年数過多で要注意先か破綻懸念先になっていたハズです。
(計算方法は銀行にもよりますが、有利利負債をCFで返済するに当たり、15年や20年を超過していると要注意先になっちゃいます。金融庁ルール。)
ちょっとでも負債を減らさないと。

で、今回のTOBに至ったわけです。

冒頭のプレスによると、筆頭株主の日本ライトンと、第2位株主であるNISP2投資事業有限責任組合は社長が同一で、同一エンティティと見なせるようです。
両社合わせて14,098株あり、@26,000円のTOBに応募するようなので、3.66億円が手に入ります。
・・・これぐらいじゃ焼け石に水

日本ライトン、危ないなー

フルキャスト、アジアパシフィックシステム総研を売却

アジアパシフィックシステム総研からプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081014069786.pdf
  キャノン電子に買われます。

対象会社であるアジアパシフィックシステム総研(社名長いなー)は、フルキャストが5,507,400株(61.18%)の筆頭株主でしたが、フルキャストはその持分全てをキャノン電子のTOBに応募するそうです。

TOB価格は@650円だそうですから、フルキャスト分だけで35.8億円で、フルキャスト以外の株主も応じるかもしれませんので最大58.5億円程度かかってしまう計算です。
対象会社は2008年6月30日の3Qベースでは42.8億円の現預金があり、有利子負債はゼロのようですから、(現預金がそのままとすると)キャノン電子は対象会社を15.7億円(58.5-42.8)のEV(Enterprise Value。企業価値。買収時価総額とネット有利子負債の合計額)で買収することになりますね。
さて、対象会社はそんな価値あるんでしょうか?

四季報によると来期(2008/9期)の営業利益は今期よりも減って260百万円。減価償却は2007/9期実績で176百万円ですから、EBITDAはだいたい436百万円(260+176)になります。ってことは、EVはEBITDAの3.6倍。
安い!
いい買い物です。


TOB価格の@650円は、過去3ヶ月平均(477円)、過去1ヶ月平均(507円)、前営業日の終値(470円)に対してそれぞれ、36.27%、28.21%、38.30%のプレミアムだそうです。・・・この大幅下降局面においては安いなぁ。
画像

チャート図と見てみると・・・、ああ、この局面で全然株価が落ちてなかったんですね。
外国人株主比率(四季報より)が0%と低いから外国人の換金売りに流されなかったのか、はたまた、このインサイダー取引を知っている人が買い支えていたのか・・・
JASDAQ指数やTOPIXに比べると8月ぐらいから値段が下支えられているように思います。8月ごろから、売却の話がウチワでは進められていたのではないかとかんぐってしまいますね。


このM&Aの真の目的はフルキャストの資金繰りでしょうね。
フルキャストは事業停止やらなんやら銀行からはそっぽ向かれているでしょうから、換金可能な資産はなんでも処分したいはず。本業と直接の影響がない、こういった事業は売却対象になっていたんでしょうね。
フルキャストは、これで35億円程度の資金を得ましたが、運転資金や有利子負債の圧縮額から考えればスズメの涙です。
でも、無いよりはマシなので急ごしらえで売却スケジュールを立てて売り払ったんでしょうね。

通常考えられるディールよりも値段が安いと思います。
拙速の感アリ。
ということは、10月中に何か資金繰りのヤマがあるか、9末に売りたかった(9末期限の支払いを延長してもらっている?)のか、いずれにせよ何らかの制約条件によって急がざるをえなかったのでしょう。何やら怪しげ。

アトリウムのB/S分析

アトリウムが中間決算短信(2008/8/31時点)を公表。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081014069863.pdf

半期決算ですし、昨今の不動産事業はP/Lを見るのは無意味なので、B/Sを見ます。
(数値は全部連結。1億円未満の数値は全て切り捨てました。また、重要と思われない資産項目は含めずに議論しています。)
結論をいうと、「先般の劣後借入・社債のおかげでなんとか助かりそうだ」ですが、1,300億円以上ある保証債務が火薬庫でしょう。昨今の不動産会社事情を鑑みると、この火薬庫に火がつくとアトリウムも木っ端ミジンですね。
セゾンの今後の支援態勢が問われます。

詳細は以下。

-----------
アトリウムの今後1年を占うB/Sの資産・負債を列記します。

■流動資産
  現預金   86億円
  売掛債権   9億円
  棚卸資産 2,398億円
  求償債権  469億円←債務保証を履行したもの
  貸倒引当金▲24億円

■その他援軍
  コミライン空枠 60億円
  劣後借入・社債 234億円
  (9/30に払込なので、この時点は未入)

□流動負債
  買掛債務   7億円
  有利子負債 1,875億円

□固定負債
  有利子負債 741億円

□その他困りもの
  保証債務 1,310億円←債務保証残高


8/29に飛んだりんかい日産建設向けの保証債務が79億円あるはずですが、これはまだこの時点では「保証債務」の中に入っていると思います。(8/31までの2営業日でセゾンが保証履行請求をして、アトリウムが履行するのは物理的に無理でしょう)
よって、上記B/Sからup to dateするために、
  ・りんかい日産建設向けの保証債務を履行したとする
  ・売掛債権は回収し、買掛債務は支払うものとする
   (メンドくさいので項目を消すため)
  ・コミラインは全部引き出すものとする
   (もうほとんど使い尽くしてるが)
  ・劣後借入・社債は払い込みを受けるものとする
を行いますと、粗々ですが、

■流動資産
  現預金   303億円
  (86-保証履行79+コミライン引出60+売掛回収9-買掛支払7+劣後234)
  棚卸資産 2,398億円
  求償債権  548億円(469+保証履行79)
  貸倒引当金▲24億円

□流動負債
  有利子負債 1,875億円

□固定負債
  有利子負債 741億円

□その他困りもの
  保証債務 1,231億円(1,310-保証履行79)

有利子負債の内、897億円は親会社のセゾンから借りているそうです。これはセゾンが急に返せとは言わないでしょう。
ということは、残りの有利子負債の半分である850億円程度の返済を迫られたとしても、手元現預金(303億円)と棚卸資産の叩き売り(1/3で売れても800億円出てくる)でなんとかなりそうです。
よかったですね。セゾン・取引金融機関による234億円は、信用面でも資金面でもアトリウムをギリギリ助けたと言えます。

問題は、
  ・保証履行請求がバンバン発生するかも
  ・求償債権はしばらく現金化できなさそう

ですね。
アトリウムの保証事業ってどんなポートフォリオなんでしょうか? りんかい日産建設のように1社に多額の保証をしていると、いくら担保があっても資金繰り破綻(保証を求められても保証履行する金が無い)する可能性が出てきます。
リプラスも保証履行資金が足りなくなって亡くなったんですよね。
いずれにせよ、アトリウムが保証事業で1,300億円もの負債を抱えたのは経営判断ミスでしょう。体力比、あるいは資金調達能力比、多額の偶発債務です。資金を出さずともチャリンチャリンと収益が入るのでこれにのめりこんだんでしょうが、リスク対比、年利で2ケタ近い収益の事業のリスクを容易にコントロールできるわけがありません。

少なくとも、セゾンはもう一度支援を迫られると思います。
オリックスとの経営統合の成否が疑われるセゾン。いつまで支援できるか。

富士バイオメディックス、民事再生申請

富士バイオメディックスからプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081014070103.pdf
  負債総額218.3億円。無理な拡大のツケ。

未収金があるからとドコかから支援を受けたものの、その未収金の存在が疑われて破綻と。
粉飾ですか。

2008/5月期
http://post.tokyoipo.com/visitor/search_by_brand/infofile.php?brand=745&info=335644
を見ると、確かに
 ・のれん  68億円
 ・商標権  12億円
 ・未収入金 32億円
 ・長期貸付金18億円
 ・投資仮勘定31億円
不芳勘定(実際の資産性が疑われる勘定科目)がメジロオシなのに対し、純資産が100億円で、下手したら債務超過かもしれません。
でも、これだけM&Aを繰り返されたらB/Sの推移がメチャクチャ。あまりに推移がメチャクチャすぎて、通常気づくはずの粉飾に気づかず、たくさんレンダーが騙されちゃったんだろうな・・・
通常、こういったダークっぽい会社は、資本市場から(ブラックなエクイティファイナンスであっても)なんとか資金調達するんでしょうが、この環境下ではしばらくエクイティファイナンスができず、ごまかしきれずに民事再生に至ったのでしょう。

迷惑をこうむったのは、筆頭株主の富士薬品(8129)と、第2位株主のメデカジャパン(9707)。
富士薬品はこれぐらいじゃビクともしない財務体質みたいですね。
メデカジャパンは・・・。あ、この会社も怪しい。
なんだ、LTTバイオファーマ・アスクレピオス・丸紅事件の関係者ですか。
ってことは、未収金っていうのは、ソレ系の架空取引ですね。
とぶな、こりゃ。

メデカジャパンの筆頭株主はユニマットグループですね。
・・・。
ノーコメント。

【ロイター】三菱UFJ、Mスタンレーへの出資条件見直し求める=関係筋

三菱UFJ、Mスタンレーへの出資条件見直し求める=関係筋
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-34263620081013?feedType=RSS&feedName=businessNews

MUFGは普通株での出資部分を取りやめ、全て優先株でモルスタに出資することにしたようです。
まぁ、当然でしょう。
MUFGの株主にも説明つかないですから。

更に
>  三菱UFJはまた、Mスタンレーへの支援策として、
> LC(信用状)を供与し与信枠を設定する。米財務省
> はMスタンレーに投資しないという。

だって。
そこまでするんだ。もう破れかぶれだな。
LCの枠はいくらぐらいなんでしょうか。LCは資金拠出はしませんが、MUFGの自己資本比率は確実に削ります
大丈夫かしら。

しつこいですが、今回のMUFGのモルスタへの投資は純投資にしかなりません。
決してノウハウなどは得られないのです。
なぜなら、外資系証券会社のノウハウを自分の取引先に適用するということは、自分の取引先をその外資系証券会社に売ることだからです。
投資銀行ビジネスの収益源は、大きく2つに分別できると思います。①M&Aのような助言系のものと、②エクイティファイナンス系のものです。(普通社債の引受なんて全然儲からない)
①助言系のサービスは人が資源ですから、MUFGがモルスタに何をつぎ込んでも、何も得られません。収益の一部をもらっても、そんなの商業銀行の業務純益からしたらスズメの涙です。1兆円の投資に見合った効果は得られないでしょう。
②それに対してエクイティファイナンス系のビジネスは、商業銀行の想像を絶する収益を上げます。しかし、それは諸刃のヤイバ。健全なエクイティファイナンスをするのはごく一部の企業で、たいていの企業は麻薬のような使い方になってしまいます。商業銀行が投資銀行に顧客を紹介し、エクイティファイナンスをさせる・・・それがどれだけ商業銀行の利益になるのか。単に顧客という資産を切り売りして収益に換える作業に他なりません。

MUFGがモルスタから何を得られるのか? SMBCがGSから何か得ましたか? SMBCの取引先がGSの投資先になっただけでしょ?
歴史は繰り返される。

いや、MUFGは硬直的だから、その顧客資産の切り売りすらできないかもしれません。

【ロイター】モルスタ株価下落、三菱UFJは損失計上?

【ロイター】止まらないMスタンレーの株価下落、三菱UFJは損失計上の危機に
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-34246620081010

> このままの水準で株価が推移してしまえば、三菱は払い
> 込んだ瞬間に減損処理に直面し、15億ドル(約150
> 0億円)の損失計上を余儀なくされる。「このまま増資
> を強行すれば、三菱UFJの経営陣は株主代表訴訟のタ
> ーゲットになってしまうのではないか」(欧州系外銀幹
> 部)との見方も出ている。


こわ。

増資引受の2/3を占める優先株は値付けがされてませんから、マークダウンの必要はないみたいですが、普通株(増資引き受けの1/3)はこの様になってます。
9/29発表のモルスタ増資計画では、普通株を@25.25ドルで引き受ける予定。ところが、9日終値は@12.45ドルまで下落。BTMUは出資した瞬間1500億円の減損要

かといって、BTMUがハシゴ外したら、パッシングだろうなぁ~
ハシゴ掛けたら、BTMUの経営陣が株主代表訴訟?

そもそも、ユニオンバンカル・モルスタとキャピタル使いまくってるから、BTMUのBIS上の自己資本比率はヒドいことになってるはず。
で、どうするかというと、貸し渋りをするわけですよ
(銀行は貸せば貸すほど自己資本比率が下がっちゃうんです。貸しはがしたら自己資本比率が上がります)

こわこわ。

トオカツフーズ、MBO

トオカツフーズからプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081010067460.pdf
  MBOします。

公開買付人のトオカツフーズ・ホールディングスは、みよし投資事業有限責任組合(以下、「ファンド」)の100%子会社で、ファンドはかなえキャピタルの100%子会社だそうですが、このかなえキャピタルは
http://www.assetinvestors.co.jp/news/data/070911.pdf
にあります通り、アセットマネジャーズと伊藤忠の合弁です。
対象会社はファミマ(伊藤忠子会社)向けのおにぎりが売上の7割を占めるらしい(四季報より)し、元もとの株主にも伊藤忠が入っています。仲良しなのね。

買付価格は@730円。これは、全営業日(@450円)の62.22%、過去1ヶ月間平均(@525円)の39.05%、過去3ヶ月間平均(@551円)の32.49%のプレミアムが上乗せされた金額となっております。
うーん。微妙に高くないですね。
ここ数日のマーケットを見て、最近になってTOB価格を下げてきたカンジがします。「ワンマン社長が"まぁこの辺でええやろ"」といえば、そこで決まっちゃいますからね。

買付期間は30日間。
発行済株式総数から自己株式を除いた株数が、18,201,928株で、12,194,000株が集まれば成立としていますので、66.99%が集まればTOB成立となります。ですが、考えてみると、反田一族で6,717,012株(36.90%)も持っているわけですから、一族以外の株主からは47.69%の賛同でできてしまうMBOということですね。プレミアムも薄いし。なんかこの反田一族、セコいカンジですね。こんなのでTOB成立させていいのか?
しかし、こういった同族企業が上場しているということ自体がムダですので、どうぞどうぞ非公開化してください。

スクイーズアウト方法は、一般的です。全株取得条項付種類株を発行し、端株を割り当てて(といっても実際には端株が割り当てられないので)金銭を交付してスクイーズアウトする方式です。

必要金額は18,201,928株×@730円+67.4億円(対象会社有利子負債)ですので、ちょうど200億円になります。
添付資料の4ページ目に、反田一族の個々人がどれだけずつ出資するのか、事細かに書いてあります。
でも、ちょっとアホラシイ。同族企業をまた同族企業にするんですか。MBOという大変な労力かけて何をしているのやら・・・。
MBO後の株主構成は、反田一族が普通株式を29億円、が普通株式を28億円、優先株式を27億円と、エクイティは合計84億円。
LBOローンは120億円ぐらいですかね。(200-84=116。これにコストをちょっと上乗せしました)

ファイナンスを検証します。デットはさっきの120億円という数値をそのまま使います。
営業利益が12.2億円、減価償却が14.9億円ですから、EBITDAは27.1億円。
対象会社の現金同等物が53.2億円なので、ネットレバは2.46倍(=(120-53.2)÷27.1)。
グロスレバは4.42倍(=120÷27.1)。
これなら充分にローンを出せる水準です。
でも、それはファンド側の譲歩のお陰と見受けます。普通株式は反田一族が29億円・ファンド側28億円と、微妙にマジョリティを反田一族に渡していますが、これだけではエクイティが小さくてローンがつきにくいので、わざとファンド側が優先株(おそらく議決権が無いんでしょうね)27億円を入れてくれています。
つまり、ファンド側の厚意で、ファンド側はマジョリティは取らないんだけど、ローンがつきやすいように資金注入してくれているのです。
あー親切。でも、親切にはウラがあるのでは?


でも、きっとこの優先株には事業悪化の際には普通株に転換してマジョリティを奪っちゃうようなコベナンツが入っているに違いありません。ちょっと悪く考えると、ファンド側は親の伊藤忠からファミマに圧力をかけ、対象会社との取引条件を一気に改悪します。すると、売上の7割をファミマに依存している対象会社のこと、すぐに業績が悪化して対象会社に仕掛けられたコベナンツにヒットし、対象会社の優先株が普通株に一気に転換してファンド側に乗っ取られます。そして反田一族を追放するのです。
で、ファンド側はまたファミマに手を回して取引条件を元に戻します。
それで、対象会社が元の優良な会社に戻ったら、ファンド側はそれをIPOすればリターンGET! てなストーリーが容易に描けちゃうなぁ・・・

気になるのは、反田一族がなんでこのMBOを行なったかです。
全然理由が思い当たりません。
もちろん、このプレスに書いてあることなんて筋も通ってないのでまるで信じません。
利殖?
反田一族に行くお金は、TOBに応募して得られる資金から新会社への出資分を除くと、反田喜久雄氏(ミコノス含む)に約11億円、反田英樹氏・反田晃氏がそれぞれ50百万程度、反田義一氏が約3億、反田覚郎氏が約4億円を手にしていますが、たいした金額じゃないからそれだけが理由とは思えないし・・・(税金は考慮してません)
事業承継(遺産相続時の節税のこと)?
喜久雄氏がミコノスを通じて引続き筆頭株主っぽくなってます。まぁ、ハコを変えている(新会社には喜久雄氏は直接出していない)から、事業承継の目的は果たせるのかもしれないが、なんかもっとうまくできたんじゃないかしら。
・・・それ以外に思い浮かびません。残念。真意を図れぬままです。

ランド、意外といい?

ランドからプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081009066420.pdf
  平成21年2月期 中間決算短信

短期の債務は・・・
買掛債務 30億円、(1年以内)社債 7億円、短期借入 91億円、(1年以内)長期借入 203億円。
合計331億円

短期の資産は・・・
現預金 34億円、棚卸資産 515億円。
合計549億円

3Lの最後の一角と賞されるランド。本社はランドコムのお隣。
意外といい決算ですね。なんとか棚卸資産を処分して120億円作ってますね。
残りの棚卸資産も6掛けで叩き売れれば当面大丈夫です。
生き延びそうだなぁ。


いいことですね。

ゼンケンHD、MBO

ゼンケンHDからプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081009065990.pdf
  MBOします。

対象会社が何の会社かわからなかったんですが、「こども英会話のミネルヴァ」・「ワールド学院」だそうです。
今回、ゼンケンHDにTOBをかけるZKホールディングス(以下、「ZKHD」)は
http://www.itochu.co.jp/main/news/2007/news_070221.html
に出てくるミネルヴァ1号投資事業有限責任組合が出資するSPCのようですが、代表者「種房俊二」から見るに、みずほキャピタルパートナーズの血が入ったファンドみたいです。

公開買付価格は148,000円。過去1ヶ月間、過去3ヶ月間、過去6ヶ月間の平均値である73,288円、82,861円、95,226円に対してそれぞれ、101.9%、78.6%、55.4%のプレミアムが乗っています。
充分に高いでしょう。

買付期間は30日間、成立要件は2/3の応募です。
スクイーズアウトは全部取得条項付種類株式の発行によるもので、将来的にはZKHDと対象会社とが合併する計画だそうです。

ファイナンスを検証します。
発行済株式数は15,300株。公開買付価格が148,000円ですから、22.6億円程度必要です。
みずほ銀行から18億円の融資証明をもらっているようですので、TOBに4.6億円たりません。じゃあ、エクイティは7,8億円ぐらいかしら?
対象会社のEBITDAは一応直近期では4.2億円程度ありますが、有利子負債が33.2億円、現金同等物が4.2億円です。
あらら、融資証明は既存の有利子負債を全然カバーしてませんね。まさか、ファンドが入れるエクイティが40億円ぐらいあるとか・・・、いや、そんなのIRRが回らないや。
とりあえず非公開化するのはいいとして、この負債は返済できません。既存借入は放置プレイなんでしょうね。

どうするのかしら?
みずほ銀行、ときどきこういう非論理的なローンを出すんですよね。よく言えばふところが深いのかもしれませんし、面倒見がいいのかもしれませんが。
でも、有利子負債が51.2億円(33.2+18)になったら、3億円ぐらいはフリーキャッシュフローがないと有利子負債償還年数(金融庁がギャーギャーと言う数値)が20年越えちゃって、要注意先になっちゃいますわな。
EBITDA4.2億円しかないんだから、利払と税金でFCFの3億円割れは確実。
大丈夫か???
まぁ、ファンドがちょっと多めにエクイティ入れてなんとかしていると考えましょう。

このディール、PEはみずほ系(種房さんが入っているから)、公開買付代理人はみずほインベスターズ証券、価格算定はみずほアドバイザリー、ローンはみずほ銀行。。。
買うほうも売るほうもみずほ固めですな。
言うことを素直に聞く客から多面的にフィーを巻き上げようっていう魂胆はまぁしょうがないとしても、"コンフリクト"という言葉の意味は、一度よーく考えてみて欲しいもんだとは思いますよ。
どの会社が、誰の利益のために働いているのか、わかんなくなっちゃうじゃない。

ニューシティ・レジデンス投資法人が民事再生申請。でも買い?!

REIT破綻第一号。
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081009066534.pdf
CBリチャードエリス、不名誉。


物件は106物件で、2,118億円(取得価額)有利子負債は984億円です。
(帝国データバンクの発表した負債総額1123億円というのは2008/8末時点だそうです。それから血のにじむような想いで借入を減らしてますからねぇ)
ご参考
 http://technical-unit.at.webry.info/200809/article_69.html
それ以外の資産・負債は、2008/2末期で資産が100億円程度、負債は15億円程度と、総資産に比べて微小ですからここは無視して考えます。

物件は7掛けで売れたとしましょう。1,482億円(2118×0.7)。
有利子負債を全額返済すると、残るのは498億円(1482-984)。
本日の終値が7.1万円で、時価総額が129億円ですから、スルガと一緒で(デットは全額返済を受けた上に)エクイティも一定の配当を受けられそうです。
・・・いや、この投資口を今買えば、4倍近い金額になりますので、むしろオトク!
直近、やむを得ず叩き売った3物件は12%のロスで売れてますから、「7掛けで売れる」というシナリオは結構現実的だと思います。
民事再生申請日の翌日、ストップ高だったりして。前代未聞ですね。

・・・いや、やっぱり、機関投資家(当社の場合、地銀や生保)は社内ルールで持てないはず。機関投資家の投売りと、個人の思惑買いがぶつかる展開になるかも。ちょっと面白そう。どっちが勝つのかしら。
個人は購入余力ないか。
そういえば、投資法人債を310億円も出してますね。これも叩き売られるかもしれませんが、またスルガみたいにGSが買い占めるかな。どうせ30円とかで投げ売られるんだろうから、これもいい買い物ですね。元本が全額弁済され、3倍のリターンになります。
※…債券は元本が100円であると見なして値段を表現します。30円ってことは、30%の値段でしか買ってくれる人がいない債券になっているということです。もちろん本当の額面は売買単位1億円といった単位だと思います。

それにしても、民事再生ですか。
ショッキングですね。金融庁と国土交通省が絶対につぶさないもんだと思ってたんですが、流石にこぼれるやつが出てきましたね。
民事再生って、スポンサーが出てくる前提、もしくは自力再生できる前提で申請するモンなんですが、投資法人なので改正されたとはいえ導管性要件(一人で50%以上投資口を持っていると無税特権剥奪)があるため、破産→清算処理される気がします。
どっかのREITが全物件をまとめてお買い上げしてくれればいいんじゃないでしょうか。
(三井不動産系とか、ローンを引くことに何の苦労もしていないREITだったら余裕で買えると思う。)

禁忌は破られると続きます。
年内に2,3個民事再生申請するREITが出てくるかもしれませんね。
REITの運営会社も、マジメに運用しているのに銀行のローンが全然出てこないことに理不尽な怒りを感じているでしょうし、適切な投資口価格がつかないことにもイラだっているでしょう。
どんどん民事再生すればいいんじゃないでしょうか。
金融庁が不動産総量規制しているからローンが締まっているわけですから、腹いせです。
で、民事再生するんだけど、資産である不動産を叩き売ったらローンは全部返せるし、エクイティにはアップサイドまで出ちゃう みたいな事例を世間に見せ付ければ、レンダースタンスも投資口価格ももっと様相が変わってくるんじゃないでしょうか。

ムーディーズは今日になって
http://www.ncrinv.co.jp/ir/topwhats/2008-1009-00001.pdf
「ムーディーズ、ニューシティ・レジデンス投資法人の格付けA3 を引き下げ方向で見直し」
とかいうプレス出してます。
バカ、遅いよ。
だいたい、REITみたいにわかりやすいものに格付なんて必要ないよ。
それも、ほとんどトンチンカンな格付つけちゃって。
フシアナ。

(10/8発表)新井組、民事再生申請。金融債権者一覧

新井組からプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081008065177.pdf
  もうだめ。

ご参考までに、金融債権者一覧をどうぞ。

[債権者名]  [債権額(百万円)]
三井住友銀行   17,701
住友信託銀行    1,224
みずほCB      546
商工中金       532
りそな銀行      504
三菱東京UFJ銀行  462
みなと銀行      400
兵庫県信連      308


SMBC,ダントツじゃないですか。
兵庫No.1ゼネコン? ああ、元神戸銀行メイン先ですか。

あー、見捨てたんですな。

こういう破綻って、地場経済に与える影響大きいんですよね。
まぁ、民事再生終えたら何事もなかったように戻ってくるとは思うんですが。

にしてもNISは何をしたかったんでしょうね?
投資業って、そういうやり方じゃないと思いますよ。

(10/8発表)アルデプロ、継続疑義

アルデプロからプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081008065078.pdf
  継続に疑義アリ。

そんなに悪いんですか? ドレドレ。
http://post.tokyoipo.com/visitor/search_by_brand/infofile.php?brand=3277&info=348496
現預金、32億円と50億円ぐらい急減。
棚卸資産、706億円と400億円ぐらい急増。
短期有利子負債、566億円。

なるほど。
資金繰り破綻が近いですね。一年以内に棚卸資産が全部8割の値段で売れないとローンの期限の利益を喪失しちゃう
レジで細かいのも多いから。キツイですね。

長期の有利子負債が24億円ぐらい増えてる!
誰が貸したんだろう。
社長か・・・、あ、わかった関西アーバン銀行でしょ!
きっとそうだよ。また倒産前にすべこみセーフかよ。
さすがだ! Good Job!

想像だけで盛り上がってしまった・・・。論拠無く、あまりにあてずっぽうなので、本気にしないでください>これを読んでいる方

(10/8公表)モリタHD(6455)、宮田工業(7301)にTOB。パナソニック(6752)応募予

宮田工業からプレス。
  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081008064621.pdf
  合意済でーす。パナソニックも合意済の出来レースでーす。
  上場維持前提ですが、集まりすぎて上場廃止になってもやむなし。

おそらく、宮田工業の筆頭株主であるパナソニック(40.69%保有)が「全株式を手放したい」と思い、第2位株主であるモリタHD(10.00%保有)に買取ってくれるように依頼 → 合意 といった話の展開ではないかと思います。

TOB価格は205円。
前日の終値(139円)、過去3ヶ月平均(168円)、過去6ヶ月平均(169円)にそれぞれ47.48%、22.02%、21.30%のプレミアムをつけています。
宮田工業のプレスの冒頭に、
> 引き続き株式会社東京証券取引所への上場維持を考えており
> ますので、株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かに
> つきましては、皆様の判断に委ねさせていただきます。

とあり、
モリタHDのプレスには、
> 東京証券取引所の定める株券上場廃止基準に抵触した場合
> につきましては、当社は、対象者の少数株主の利益を保護
> すべく、株式交換等による対象者の完全子会社化等も視野
> に入れておりますが、現時点では具体的な対応方針及びそ
> の条件等の詳細については決定しておらず、本公開買付け
> の結果、東京証券取引所の定める株券上場廃止基準に抵触
> するに至った段階で、本公開買付けの結果を踏まえ慎重に
> 検討を行ってまいります。

と書いてます。
投げてるな、こりゃ ^^;
TOB価格をパナソニックに決められちゃったんで、もう集まるか集まらないかは時の運 てなカンジになっちゃったんでしょうね。通常は、上場維持でも上場廃止でもどっちでもいいやなんてTOBはないんですが。

宮田工業の発効済株式数は2,840万株ですので、モリタHDが既にもっている分(10.00%)を除いた2,556万株を買付けるには52.4億円が必要です。
EDINETを見ると、みずほCBがモリタHDに60億円の融資証明書を出しています。

モリタHDはEBITDAが32億円、有利子負債98億円、現金同等物39億円。
宮田工業はEBITDAが7億円、有利子負債16億円、現金同等物4億円。
本件買収コストがおそらく60億円。(みずほCBがコミットした額から。全株式が応募されたと仮定して)
合算すると、EBITDAが39億円、有利子負債174億円、現金同等物43億円。
つまり、ネットデットがレバ3.35倍、グロスデットが4.46倍
(それぞれ、現金同等物額を差し引いた有利子負債がEBITDAの何倍か、有利子負債がEBITDAの何倍か というのを算出した数値)
まぁ、なんとかなる水準ですね。

欧州が火薬庫?

【ロイター】
日経平均が一時1万円割れ、金融問題の収束見えず楽観論は後退
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-34144020081007

この中で、この人のコメントにクローズアップ。
> <ユナイテッド投信投資顧問シニアファンドマネージャー 高塚孝一氏>
>
>  世界経済の見通しは暗いといわざるを得ない。欧州金融
> 機関が保有する証券化商品は米金融機関の4─5倍とも言
> われており問題が顕在化するのは、これからだろう。調整
> の難しさもあり政策が後手に回るおそれもある。米国は金
> 融機関に資本注入するという処方せんがみえているが欧州
> での金融問題は、これからだ。グローバル経済の中で欧州
> だけを切り離すことはできず、世界的に影響がおよぶ可能
> 性がある。


そうですか。
欧州が本当の火薬庫だと指摘する声はアチコチで聞いたのですが、まだまだこれからですか。
ユーロは初めての試練ですね。
以前から、いくら一つの経済圏とは言え通貨が一つで政府が複数ある場合、経済政策はどうやって協調していくのか不思議だなと思っていました。国によって失業率・産業構成・モノの需給などが異なるでしょうから、公定歩合を上げたいのか・下げたいのか、為替介入するのか・しないのか、通貨は一つしかないので経済政策の意見は分かれるのではないかと
現に
【8月のドイツ製造業受注指数:前月比3.6%上昇-予想大きく上回る】
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003007&sid=aC8sd30rs35c&refer=jp_economies
【8月の英製造業生産:前月比0.4%低下-80年以来の6カ月連続悪化】
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003007&sid=abDBO0xWUXSM&refer=jp_economies
と、英独で実体経済ベースではブレが出てます。
まぁ、数ヶ月後には全欧州で実体経済が下ブレしていくのかもしれませんが。

どうするんでしょうね? そこでモメられるとますます失望売りか?


火薬庫として、ロイズ、RBSなどの英系商業銀行への資金注入観測も出だしています。
欧州は現在そろって各政府が"預金全額保証"という手を打ちましたが、銀行間取引が正常化しないと今回の問題は収束に向けて前進しません。各国、公的資金注入は必須ではないかと。

今の時期とMBO

gozaruさんからご質問をいただいている
> 市場が急落していますが、今の状況でTOB(MBO)が
> 中止に追い込まれたりしますか?

についてですが、まず、公開企業のMBO(TOBを伴うものとする)について、既に発表されているMBOは止まりません。むしろ金商法上、止めることが許されていません
まだ発表されていないMBOも特に止まる理由はありませんし、むしろMBOしやすくなります。
『株価が低い』ということは、『(同じプレミアムを乗せたとしても)TOB価格が低くなる』ということだからです。
TOB価格が低いほうが、レバレッジが低くなるのでローンを借りやすくなります。
この環境はMBOにプラスと言えます。


しかし、TOBを伴うMBO(LBOであっても)が起きるのはこの10月前半ぐらいまでかと思います。
10月後半や11月にTOBを開始してしまうと、12月にTOB決済日が来てしまいますが、2009年年明けから実施される株券電子化のせいで12月は各証券会社の窓口はテンヤワンヤになることが想定されており、大手証券(野村・大和・日興)はそんな案件の公開買付代理人を既に受けない方針を固めています。

だからこのMBOブームは10月前半でおしまいです。
しばらくお休みし、12月中旬ごろからまた再開されるのかもしれません。株券電子化の影響が見えていないので、まだその辺は具体的な話を進めにくいんでしょうが。

※…一般的に、大手証券(野村・大和・日興)以外の証券会社を公開買付代理人にしないと、TOBをしても株が集まりにくいと考えられており、どのファンドも3つの証券会社に話をします。株主がTOBに応募するには、その証券会社に口座がないと応募できないわけで、近辺に支店がない証券会社が公開買付代理人を務めてしまうと、わざわざ口座を作成して応募するのが大変だからです。
実際は、どんな小さな証券会社が公開買付代理人をやったとしても、応募するつもりの人はTOB価格よりちょっと安くても場で売ってしまい、証券会社がそのちょっとした利鞘を狙って大量に場で買い、最後に公開買付代理人の口座に持ち込むことによってTOBは成立するんですが。
某ファンドのように常に「ウツミ屋証券」を公開買付代理人に任命するのは、(そりゃ手数料も安く済むんでしょうが)実際にTOB成立させる気がないからです。もしくは、外からそう見られても平気というモラルの低さを感じます。「TOBをかけているのは嫌がらせです。僕達はグリーンメーラーだからね。でも、早く高い値段で対抗ビットをかけないと、万が一にも成立するかもしれませんよ。」と揺さぶりをかけるためだけにTOB制度を使っているように思えます。
そう、ストラテジック・パートナーズのことです。

9/29公表の日本工業検査のMBO

gozaruさんのご要望に基づき、9/29に公表された日本工業検査のMBO
  http://www.nikkoken.com/ir/img/kaituke.pdf
について私なりに分析してみました。

最初は軽い気持ちで数字だけなめるつもりだったのですが、なんだか数字がいろいろと合いません。
想像&推理していくうちに、とある結論にたどりつきました。
 ・このMBOは社長の資産管理会社を救助するため、財務内容が
  健全な対象会社と借金漬けの資産管理会社を合併させる目的
  で企図されたプロジェクトではないか?
 ・TOB価格も、おそらくローンに引きづられてギリギリ低く設定
  されており、恣意性が感じられる。

あと、本件、発表直前にインサイダー取引があったように感じられます。

以下、詳細
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公開買付者は(有)弘林。典型的なオーナーの資産管理会社で、既に対象会社の7.81%(345,600株)を保有しています。
あれ? ヴァリアント・パートナーズというPEファンドの資本が入るのに、そのままオーナーの資産管理会社を使うんですね。変わってるなぁ・・・。

ヴァリアント・パートナーズ
http://www.valiant-partners.com/
は元MKSの加藤氏、櫻井氏が立ち上げたファンドで、2007年5月のANZEN(タクシー)、2007年11月の阪神調剤(薬局)に続く3件目の投資案件のようです。
小所帯のようですが、頑張っていますね。なかなか案件を獲得できないPEが多い中、ソーシングが出来ているようです。
(個別投資案件の質までは私にはわかりません。ANZENは原油価格高騰などで苦労しているかもしれませんが、阪神調剤はストラテジックバイヤーに売れそうなので、EXITできそうな気がします。)


必要金額を計算します。
発行済株式総数(4,423,420 株)から、公開買付者の保有株数(345,600株)と対象会社が保有する自己株式(101,604 株)を除いた3,976,216株をTOB価格@2,400円で買付けるので、約95.4億円必要となるはずです。既存借入が約5億円ですので、EV(Enterprise Value。企業価値。買収時価総額と既存借入金の合算)は約100億円になります。
エクイティ部分は、林社長がTOBに応募して約8億円、ヴァリアントが約20億円(いずれも公開買付者に後で出資する形式のようです)ですので、ローン部分は約72億円になります。
(ここでは、公開買付者が元々所有している金銭はわからないのでゼロと仮置きして計算しています。)

この、ローン72億円というのは、
> 株式会社三菱東京UFJ銀行並びに日本政策投資銀行から
> 最大で139億円を調達

という記載と合致しませんが、これは、
 ・林社長の増資分はTOB応募額からの拠出となるため
  当初は払い込まれないこと
 ・こういった場合の銀行のコミットメントレターは、
  MBO後に必要となる運転資金(コミライン)や
  設備投資資金(CAPEXライン)の金額分も合算
  した金額をコミットしているから
という理由から来るものかと思います。

それにしても多いな、このBTMUとDBJのコミット額である139億円って。
・・・わかりました。おそらく公開買付者である(有)弘林に40~50億円ぐらいの既存借入金があるに違いありません。対象会社の運転資金(コミライン)は、せいぜい10~20億円程度あれば足りるでしょうから。
LBOローンにおいては、対象会社や買収会社にそのLBOローン以外のレンダーが存在することをコベナンツ上許容しません。よって、全ての借入は返済する必要がある為、LBOローンはそれだけ膨らむことになるんです。
つまり、この139億円の資金使途の構成は、
 ・TOB資金 72億円
 ・TOB資金だけど、後で林社長増資で返済予定の 8億円
 ・公開買付者の既存借入 44億円(net debt)
 ・非公開化後の対象会社の運転資金枠 10億円
  (これはコミラインなので当初は融資実行しません)
 ・本件諸費用 5億円
てなカンジになっているんじゃないでしょうか。
対象会社が年商100億円ぐらいなので、運転資金枠はまぁ10億円ぐらいあれば充分と思われます。

この公開買付者である(有)弘林の有利子負債として40~50億円というのは、ちょっと多額すぎる気がします
公開買付者の「(有)弘林」の本社、
  神奈川県川崎市多摩区宿河原四丁目19番21号
をGoogle ストリートビューで見ると・・・、ただの田舎の一軒屋っぽいところです。これはあまり不動産価値ないでしょう。
ははぁ、これはいわゆる"すかいらーく"パターンかもしれないですね。
銀行から見て永年の問題先であった横川氏(すかいらーくの前社長)の資産管理会社がついにどうにもいかなくなり、窮余の策として取られたのがすかいらーくとの合併。その合併のためにMBOをしたのです。


本件の場合も、
  林社長が運営する日本工業検査と、その林社長の資産管理
  会社である(有)弘林がありましたとさ。何をしたか知らな
  いが、(有)弘林には有利子負債がどんどん溜まり、メイン
  バンクの三菱東京UFJ銀行からは『担保価値がないので、
  そろそろ借金を返してください。無理だったら・・・
  MBOはいかがですか?』と言われる。しょうがない、
  (有)弘林の借金を返すために、日本工業検査をMBOさせるか。

という風にBTMUがMBOさせ、要注意先だった(有)弘林から借金を返済させるというような話があったりして。
そう思った根拠は、
 ・当社は近年業績が伸びてきているんだから、非公開化する
  理由があまり見当たらない。

 ・ヴァリアントは(有)弘林という器を公開買付者にすること
  を当初嫌がったはず。
だって、そんなわけのわからない
  会社を使うと、ドコに簿外債務があるかわかったもんじゃ
  ないから。なのに、(有)弘林が器になっている。
  それは、(有)弘林を器にしないといけない理由があった。
です。
冒頭で私が、『ヴァリアント・パートナーズというPEファンドの資本が入るのに、そのままオーナーの資産管理会社を使うんですね。変わってるなぁ・・・。』と思ったのは当然で、実はこの(有)弘林を助けるのが本件MBOの真の目的だったのかもしれないのです。


ファイナンスも検証しておきます。
対象会社の2008/3期のEBITDAは約14億円です。対象会社と公開買付者の合併した新会社に引き継がれる有利子負債は、残高ベース(運転資金のコミライン10億円、林社長出資 8億円を除く)で121億円。
ただし、対象会社には2008/6月四半期ベースで、14.7億円の現預金、14.5億円の投資有価証券があります。投資有価証券が7割で現金化できたとすると、現預金 約25億円となり、上記の有利子負債121億円とのネット(net debt)で96億円(ここを"パーマネントローン部分"と呼びますね)
これはEBITDA 14億円の6.9倍になります。
これはキツイですね。ネットデットのレバで6.9倍というのは、レバ掛かりすぎ。

ここでもう一度推理します。

EDINETの公開買付届出書を見ると、BTMUのコミット額は107.5億円、DBJは31.5億円です。
わかった。DBJはメザニンなんだ。
パーマネントローン部分が96億円だから、DBJ(メザニンローン)の31.5億円を除くと、BTMU(シニアローン)の金額は64.5億円。これはEBITDA 14億円の4.6倍です。
シニアのネットデットレバが4.6倍。メズは深いところで8.6倍(コミラインを使った後ならトータルデットが121億円だから)。
ああ、これならなんとかなるのかも。
すごーくギリギリの線なんだけど。いや、やっぱりギリギリアウトかもしれないけど ^^;
メザニンローンは金利高いでしょうね。
DBJは今般の民営化で、商業銀行とは違う、投資会社として生きる道を望んでいますので、Equity Kick(株式転換権または株式取得権)の付与も要求したかもしれません。
少なくとも、PIK(Pay In Kind。金利を元加する方式)にしたでしょうね。細かい計算はしませんが、cash payだとDSCR(約定返済と利息を払う能力の指標)チェックに引っかかりそう。

というギリギリのローンの状況を踏まえ、TOB価格も検証。
TOB価格は、@2,400円なので、過去1ヶ月間・3ヶ月間・6ヶ月間の単純平均値に対するプレミアムがそれぞれ、約39%・約39%・約42%だそうです。
これは厳しい。
ホントにギリギリ
ですね。
「このTOB価格までしか出せない。だって、BTMUとDBJがローンつけてくれないんだから!」という状態になり、既存株主に対していくらのプレミアムを払うべきという観点より、ローンがつくか・つかないかが主眼になってTOB価格を決定したのではないでしょうか?(よくあることですが。レンダーはTOB価格が下がってくれたほうがレバが下がるので稟議を通しやすいですから。当然、ファンドや社長も今後追うべき借金は少ないほうがHappyですしね。)
つまり、
 ・このMBOは社長の資産管理会社を救助するため、財務内容が
  健全な対象会社と借金漬けの資産管理会社を合併させる目的
  で企図されたプロジェクトではないか?
 ・TOB価格も、おそらくローンに引きづられてギリギリ低く
  設定されており、恣意性が感じられる。

といえます。
日興コーディアル証券もさすがにこういった行動を見咎め、公開買付成立要件をオーナーら(67.63%の株式保有)以外の株主の半数以上が合意していること と厳しく設定させたのではないかと推察します。

でも、MBOってそんなもんなんでしょうね。
流動性が低かったり、同族企業だったり、買収防衛策を導入したり、とにかくマーケットに向き合っていない企業の株式を興味本位で買う方も考え直さないと、どんどんこういった輩にコケにされるのではないかと思います。


公開買付期間は30日間。
上記の理由でたくさん応募して欲しいでしょうからね。
でも、敵対的買収者が出てきても困ると。微妙な日数設定です。


合併方法は・・・
おや、これは変わってます。
全部取得条項付種類株を発行するという小細工をせず、正々堂々と会社法の金銭交付合併で来ましたか。当然、スクイーズアウトするときに完全子会社ではありませんから、非適格合併となってしまい、税務面でcash outが発生する可能性があります。
これは初めて見ました。
最近、税務署が適格合併に持ち込まれたスクイーズアウトを疑問視しているとは聞いていたんですが、ここまで潔いのは珍しい。
もしくは、投資有価証券や不動産で損失が出るのなら、非適格合併で発生する益とぶつけることでcash outを防ぐこともできます。
この辺は当事者たちでないとわかりませんね。


おまけ。

この図を見てください。
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=9784.q&d=c&k=c3&c=998405.t,23337.q&a=v&t=3m&l=on&z=m&q=l
画像

9/29にMBOを公表する数日前から、商いを伴って対象会社株式が上昇しています。TOPIXもJASDAQ指数も下落しているのに、当社株式はなぜか上昇
ギリギリまで銀行がローンつけれるかどうかわからなかったのが、数日前に全てのことがうまくいくと知った人が、フライングで対象会社株式を買ったのかもしれません。

ちゃんと刺して下さいね>証券取引等監視委員会
仕事してくれヨー。

9/9公表のダイワボウ情報システムの非公開化

gozaruさんから分析のご要望いただいたので、9/9公表のダイワボウ情報システムの非公開化(というか、親会社による完全子会社化)について考察します。
  http://www.pc-daiwabo.co.jp/ir/pdf/080909b.pdf

本件については、
http://technical-unit.at.webry.info/200809/article_19.html
でコメントしてるんですが、何ら数値を見ていない(LBOではなく、事業会社によるM&Aであるためあんまり関心湧かなかったんです)ので、改めて数値を見てみましょう。
えーっと、まず前提条件を全て四季報から抜き出してきました。

① 9912 ダイワボウ情報システム【連結】
 営業利益 43.7億円+減価償却 10.1億円=EBITDA 53.8億円
 有利子負債 75.0億円
 現金同等物 7.7億円

② 3107 大和紡績【連結】
 営業利益 14.0億円+減価償却 15.3億円=EBITDA 29.3億円
 有利子負債 262.9億円
 現金同等物 57.3億円

しかし、大和紡績はダイワボウ情報システムを持分適用していますので、②の数値には①の一部が含まれています。大和紡績の有価証券報告書によると、24.4%子会社なので、単純計算で、ダイワボウ情報システムの数値の24.4%分を引けばOK。

②' 3107 大和紡績【連結。ただしダイワボウ情報システム分控除】
 営業利益 3.3億円+減価償却 12.8億円=EBITDA 16.2億円
 有利子負債 244.6億円
 現金同等物 55.4億円

うわ、貧弱。
大和紡績の営業利益のほとんどは子会社のものだったのですね。そりゃ、この虎の子を守ろうとするわけだ。

冒頭の公開買付意見表明によると、大和紡績とダイワボウ情報システムの取引は極めて些少らしいので、大和紡績がダイワボウ情報システムを完全子会社化した場合のこのグループ企業の実力は、両社を単純合算(①+②')すればいいことになります。

③ 大和紡績+ダイワボウ情報システム(①+②')
 【連結。両社間で取引はないものとする】
 営業利益 47.0億円+減価償却 22.9億円=EBITDA 70.0億円
 有利子負債 319.6億円
 現金同等物 63.1億円


さて、今回エフィッシモにイジワルされたためにかけざるをえなくなったTOB代金を計算します。
発行済株式数19,293,998株の内、既に大和紡績が4,648,875株を保有しているそうなので、残りの14,645,123株について、公開買付価格@2400円ですから、351.5億円が必要です。
加えて、新株予約権付社債が1,037百万円ありますが、これは各社債の額面金額100万円につき1,773,836円で買取るそうなので、18.4億円必要です。
合計で369.9億円。
EDINETの公開買付届出書ではBTMUが375億円のコミットメントレターを出していますが、この369.9億円全てを借入で賄ったとして、

③' 大和紡績+ダイワボウ情報システム(③+TOB必要資金)
 【連結。両社間で取引はないものとする。TOB終了後】
 EBITDA 70.0億円
 有利子負債 689.5億円
 現金同等物 63.1億円

ネットデットで626.4億円ですから、ネットレバ倍率は8.95倍(=626.4÷70.0)。これはダメだ。

大和紡績、エクイティファイナンスすると思います。
そうじゃないと耐えられないハズ。

ちなみに、TOB公表前のダイワボウ情報システムの時価総額は358.3億円、大和紡績の時価総額は348.3億円。現在の大和紡績の時価総額は288.2億円。
コレ、大和紡績がダイワボウ情報システムを完全子会社化することが全く読み込まれていないような気がします。それとも、有利子負債が増えすぎるからデフォルトリスクを読み込んでいるのかしら?(笑)

TOB公表前の時点の大和紡績とダイワボウ情報システムの時価総額の単純合算は、
  358.3億円+348.3億円-87.4億円=619.2億円
  (ダイワボウ情報システムの24.4%はやはり控除要)
です。
この619.2億円が現在の時価総額と仮定すると、その3割として200億円程度のエクイティファイナンスができるかもしれません。
すると、さっきのネットレバ倍率は6.09倍(=(626.4-200)÷70.0)。
これでもキツイですが、まぁしょうがないでしょう。

いや、やっぱり今のマーケット環境ではエクイティファイナンスできるわけない。どうするんでしょうね? 大和紡績、すごく困ってるかもしれません。
一日の流動性(売買代金)は5,6億円あるようなので、無理すれば株価が激下がりしても200~300億円程度のエクイティファイナンスはやってくるかもしれませんけれども
大和紡績のアドバイザーは野村證券。既に手はずを整えている可能性大。

メインバンクはBTMUみたいです。
頑張って支えてあげてください。
なんともならないレベルではありませんから。

為替は更に円高に?

ロイターから
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-34120720081006
と、FRBの利下げ観測に関するニュースが出ています。
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPnTK017138320081006
にありますとおり、米投資家が資金確保のため、ユーロ資産換価→ドル転して米国内へ資金還流(記事中でいう"リパトリ")の流れが激しくてドル高ユーロ安を招いており、景気後退懸念以外にもFRBが利下げを行なう動機があります
50ベーシスの利下げで済むのかなぁ?

ドル高ユーロ安を和らげるために利下げするのはいいのですが、米ドルが利下げすると、円高は更に進む可能性があります。100円切りそう。
すると輸出企業の業績低下懸念で日経平均はまた下げ?
ああ、いつ反転するのかしらん。
ちっとも日本経済がよくなる気がしない。


ぐっちーさんの
http://blog.goo.ne.jp/kitanotakeshi55/d/20081003
を見させて頂くと、マーケットの仲介者であるはずの証券会社が調達コストUPと脱レバレッジで、高格付社債にも流動性を与えられないとのこと。どこも資金繰り難ですからね

ああ、いつまで続くのか。
年明け?

こんなときこそ買いだと、頭でわかっていても、手が動かないぃぃぃ。

REIT暴落。東証REIT指数、初の1000割れ

2003年4月に1006.64で始まった東証REIT指数が、本日の終値で944.11でした。
2007年5月に2612.98まで上がっていった東証REIT指数ですが、ついにここまで崩落・・・。

原因とされているのは、
 ・米金融安定化法案成立するも、実効性への不安から来る全世界恐慌観測
 ・外国人投資家の資金引上げ(REITは外国人投資家の比率が高い)
 ・パシマネと大和証券の提携ご破算に伴うアセマネへの不安感
とメディアによってもいろいろとあるようです。
どれも合ってると思います。
そもそも日経平均が激しく下がっているんだから、REITが下がって当然なんですが。


でも、REITがこの1年間、半分以下になるまで下げる真の理由は、「みんながREITのビジネスモデルに気づいたから」じゃないかと思うんです。
下げる理由があって下がっても、また上がるのが普通なのですが、ビジネスモデルがダメだと気づく人が増えたら買う人がそもそも減ってしまいます。根本的に需給バランスが崩れたら、後は下がるだけですよね。

そのREITのビジネスモデルってのは、「利益配当」であるということです。
つまり・・・
REITは、私募ファンドから物件をわざと高く仕入れるという"ゴミ箱"的な存在でした。
しかし、不動産マーケットが盛況であればいいんです。2,3年寝かせれば、そのREITからまた高値で別のファンドに売却することができる。
しかし、まさに今、高く売却できる時代は終わりました。ローンという蛇口が絞られてしまったことによって資金に詰まったREITは、損を出してでも物件を売却して資金を確保する動きを始めました。破綻するわけにはいきませんから、当然の判断です。この傾向は他のREITにも飛び火するでしょう。
今までREITから更に高く買ってくれた私募ファンドも、同様にローンが絞られ、満足な買取価格を出してくれなくなりました。やはり、REITは損を出してでも叩き売らざるを得ないんです。
利益の範囲内でしか配当できないREITが、売却損を出す。それは、安定運用収益で上がっている利益を配当に回せないという理不尽な結果を引き起こします。

今後しばらくは、REITは下方修正を繰り返し、配当原資はどんどん縮小=利回りは低下することになります。
当然、REITの投資口価格は下がります。すると公募増資が出来なくなってREITの資金調達手段はますます物件売却に頼らざるを得なくなる・・・。挙句の果てには第三者割当増資という劇薬を選び、更に(一口あたりの)利回りを低下させる。またREITの投資口価格が下がる・・・・。

つまり、今、まさにREITバブルが弾けているんです。
そんなREITの投資口、誰が買いますか?


もちろん、NBF・JREのような財閥系の企業がバックについたREIT(こういったところは、最後はスポンサーが面倒を見ると信じきっているため、レンダーは基本的にローンを返せとは言わない。)まで投資口価格が下げているのも事実なので、私が展開した議論が全てのREITに当てはまるわけではありません。

アセットマネジャーズ:都との用地契約締結が遅れ

アセットマネジャーズ:都との用地契約締結が遅れ
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=aKBGlBdej8OU&refer=jp_home

【概要】
> 10月6日(ブルームバーグ):
> 不動産ファンドのアセット・マネジャーズ・ホールディングス
> による東京都からの用地取得の正式契約締結が遅れている。国
> 際金融市場の混乱が強まる中、用地取得資金調達のためのファ
> ンドがまだ組成されておらず9月中に予定していた契約締結が
> ほぼ2カ月の先送りとなった。


11月ごろにはファイナンスに目処をつけたいというアセットマネジャーズの祈りにも近い願いが透けて見えます。
しかし、11月までにこの環境が好転する気がしません。
キツイですね。

マンデートを手放したときのペナルティってあるのかしら?
おそらく無いと思うので、この件は忘れたほうが話は早い。それどころじゃないハズですから。

ユニバーサル、MBO

ユニバーサルホームからプレス

  https://www.release.tdnet.info/inbs/140120081006061880.pdf
  MBOします。

公開買付者である「UHホールディングス(株)」は、DRCキャピタルが作ったSPCみたいです。DRC? 知らないです ^^;。調べてみたところ、代表者・住所・電話番号からみて、旧アクティブ・インベストメント・パートナーズ(三井物産とロスチャイルドの合弁PE)みたいです。
対象会社の加藤社長がMBOするのにDRCキャピタルが出資(と融資)を行なうというモデルのようでして、筆頭株主である住友不動産は持分全てをTOBに応募する旨合意済みとのこと。
公開買付価格は125,000円になっていますが、社長である加藤氏とその資産管理会社KAMが保有する2,581株(13.24%)は応募しないようですので、16,414株(発行済株式数19,488-加藤社長ら持分2,581-自己保有株式493)を買い付けることから約20.5億円程度が必要(借入金はゼロ)なようですが、
> 公開買付者は、本公開買付けに係る決済に要する資金を調達
> するため、DRCⅠ組合及びTNPに対する第三者割当増資
> により最大で約13億円を調達すること、並びにDRCⅠ組合
> から最大で12億円を借り入れることを予定しております。

と、既に資金手当ては終わっています。

125,000円というTOB価格については、過去1ヶ月間・3ヶ月間・6ヶ月間における単純平均値比、それぞれ約96.2%・約82.1%・約64.2%のプレミアムだそうですから、まぁ高めでしょう。
本件はMBOという色合いもありますが、住友不動産が13億円回収できたというEXIT案件のような気がします。
加藤社長が、住友不動産に買取ってくれと言われてPEファンドを探したんでしょうかね。

スクイーズアウトの方式は一般的な、
   全部取得条項付種類株の発行→端株だから金銭割当
というパターンです。
その後のことは書いてありませんので、SPCと対象会社はしばらく合併しないストラクチャーで考えているようですね。

対象会社のEBITDAは・・・、営業利益▲319百万円、減価償却62百万円(いずれも四季報ベース)ですから、約▲250百万円ですね。うーん、これでよくバイアウトするものですね。どちらかというと再生型のMBOと言うべきでしょうか。DRCキャピタル、結構アドベンチャー的投資家のようです。
対象会社のビジネスモデルはFC本部としてフィー収入がメインであり、無借金で利益剰余金を積み重ねてきたが、ここにきて利益がだせなくなっているため非公開化して出直すというところでしょうか。
現預金が約4億円、長期性預金が8億円と12億円程度の現金同等物がありますので、それで前述の
> DRCⅠ組合から最大で12億円を借り入れることを予定しております
のほとんどを返済するつもりかと推察します。

多少、直近1stQにおいて引当金をあてて損を大きくするなど、MBO前に株価が下がるような手を打っている気もしますが、まぁそもそも上場している意味が無くなっている(エクイティファイナンスはできなさそうだから)ところから見ても、マーケットから退場していただくのが順当かと。